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継承と承継

 
 
伝統を私的・仕事にかかわらず語るとき、
私は継承・普及、そして発展を、まずはイメージする。 
 
技を継承して、世に知らしめる。さらに手を加え発展させ、後世へとつなげていく。 
文楽や歌舞伎など伝統芸能は技の伝承、口伝が主である。 
聴いて、見て、繰り返して覚え、自分のものにする。 
自分のものにする、というのは表面的な技の伝承だけではない。 
自らの経験や知識に基づいて自らの解釈を加えるのが本来だ。 
ゆえに、その解釈から表現は歳を重ねるたびに変化していく。 
これで良いという極みはなく、挑戦し続けるしかない。 
そこに見る側の楽しみがある。 
 
継承者を育てる意識が周囲にあってはじめて、後世に伝えられていく。 
技の継承は、時により家の継承となる。 
古来より家を継承することが日本では当たり前とされてきた。
 継ぐ人間に技があるなしに、かかわらずである。
 
「家、家にあらず。次ぐをもって家とす。人、人にあらず。知るをもって人とす」
家は継ぐべきものがあるから家であって、人間もそこに生まれたからといって、家の人とは言えない。
家に守るべきものがあり、伝承する技術や能力がなければ継いではいけない。
風姿花伝には、そう解釈できる一文がある。 
 
家、つまり工場、事業はあるものの、継ぐべき人間がいない。 
企業であれば、承継者不在はそこでストップ、廃業である。 
倒産していないのに企業がなくなる事例は多々ある。 
 
継ぐ言葉として「継承」や「承継」がある。 
以前は、文化の継承、事業の承継と言われていたので、私は継承と承継は同じ意味であるが、使い方を分けている。 
 
継承は広く一般的に使うが、承継はおもに権利や義務を引き継ぐなど義務的な事象に使うことが多いようだ。 
継ぎたくない者を継がせようとしてもうまくいかない。 
継ぎたい、という者がいても、秀でた能力がない、相応しくなければ、やはりうまくいかない。 
 
ただし、意欲さえあれば能力はつく。
先天的なものだけではない。
 能力を高める役目は現経営陣の責任でもある。 
継承や承継を完成させるには準備期間が必要。 金儲けの対象であってはならない。
企業を存続させるための手段としての存在。 
それは、候補者の選定、そして自覚、周囲の愛情により、継承と承継は成立する。
 
 

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